頑張ろう福島 ~福島の安全・新鮮・美味な果物の製菓への活用~
Happy Fruits プロジェクト

共  催:公益社団法人 日本フードスペシャリスト協会

開催日時:
①平成27年6月29日(月)13時25分~15時15分
②平成27年7月25日(土)11時30分~12時20分、13時~13時50分
③ 〃   7月26日(日)14時~15時30分
④平成27年11月 7日(土) 13時~18時
⑤平成27年12月 6日(日) 10時~16時
開催場所:
①羽衣国際大学食物栄養学科 調理実習室
②   〃         臨床栄養実習室
③   〃         調理実習室
④大阪市北区 大阪富国生命ビル4階 テラプロジェクトブース
⑤大阪府泉南郡熊取町中央小学校 運動場 
⑥その他、報告書に記載しきれないが、通年で数多くの官能検査や調理実習を学内授業中・学外学園祭・出向先等で実施した。
参加人数
①28名(19歳~30歳代)
②58名(16歳~60歳代)
③51名(16歳~50歳代)
④120名(5歳~70歳代)
⑤9000名(公式発表)
講  師:
①羽衣国際大学人間生活学部食物栄養学科 教授中井久美子
②         〃           中井久美子
③         〃           中井久美子
④         〃           中井久美子 准教授野口聡子 
⑤         〃           中井久美子 准教授野口聡子
スタッフ:
①羽衣国際大学人間生活学部食物栄養学科 調理実習助手2名
②   〃     Happy Fruitsプロジェクト4年生3名 助手2名     
③   〃      〃       4年生2名 3年生1名 助手2名  
④   〃      〃     4年生3名、3年生2名、2年生2名 
⑤   〃      〃     4年生3名、3年生2名、2年生1名

 

【事業目的】

東日本大震災、原発事故で大被害を受け、立ち上がろうと頑張る福島県に、次には農産物への風評被害が重なっています。我々は食育活動を通して「何か支援の一助になりたい」「頑張ろう福島」の思いの下、昨年度、福島県物産の中から、一年中入手出来る福島産桃100%ジュースと桃缶詰を活用し、美味しく簡単に作ることが出来るスイーツレシピーを完成させ、出来うる限り多くの対象に、調理実習や福島産100%桃ジュース「桃の恵み」・桃缶詰の官能検査を通してその美味しさと安全性を周知し、福島県物産の消費に寄与したいと「Happy Peach福桃プロジェクト」を稼働させ活動を継続してきました。その一環として、福島県の農産物の安全性や流通について福島県農業総合センター(郡山市)、JA全農福島(福島市、大阪野田、東京神田)、果樹農家(福島市)、伊達市観光物産協会、二本松市小児科医、大阪中央卸売市場、JA全農福島大阪、JA全農福島東京等々の視察を重ねた中で、福島県の美味しい果物は桃以外にもたくさんあることを改めて認識しましたので、本年度は「頑張ろう福島 ~福島の安全・新鮮・美味な果物の製菓への活用~Happy Fruitsプロジェクト」として、地道な活動を継続しています。

本年度、官能検査は福島産林檎100%ジュース「林檎の想い」、福島産和梨缶詰を紹介周知し、季節に応じ旬の果物(桜桃、桃、葡萄、梨、林檎、柿、栗、蜜柑等々)を用いた‘Happy Fruitsパフェ’の実習を遂行致しております。関東エリアでの福島産果実の流通については、JA全農福島東京を訪問し、関西圏に比べると、流通量や価格は回復しつつあるけれど、震災前の状況には戻っていない現状も知りました。 また、福島市農政部農業振興課からのご案内で「ふくしまスイーツコンテスト2015」(本年度テーマは桃)にHappy Fruitsプロジェクトメンバー4年生3名が試作を重ねた苦心の傑作スイーツを応募しましたので紹介致します。

 

【実施内容】                      ①レクチャアPPTはここをクリック

事業実施会場の条件で(衛生面・作業性を考慮)、調理実習室使用が可能ならば調理実習と官能検査、調理室のみ使用可能なら林檎ジュースと和梨缶詰の官能検査(缶詰のスライス及び配食)、いずれも使用困難な場合は林檎ジュース官能検査のみ実施とし、いずれの場合も初めに、‘野口・中井が福島県を訪問し、郡山市の福島県農業総合センター(農産物の放射能測定)、福島市のりんご農家・桃農家、伊達市のJA伊達、二本松市の佐久間内科小児科医院を視察し「福島県農産物の安全性の確認作業」と「安全性」をしっかり確認してきたこと’をPPTでレクチャアしました。

 

6月29日(月)羽衣学園高大連携授業の一環として、羽衣学園高校2年生26名(男子学生4名、女子学生22名、助手2名)を対象に実施しました。PPTレクチャアに続き、桃の恵み・桃缶詰の官能検査、「Happy Fruits パフェ」を実習試食しました。(後期にもう一度同じ対象に事業を遂行予定のため、その際に‘林檎の想いと和梨缶詰’の官能検査を実施予定のため、今回は‘桃の恵みと桃缶詰’を試飲試食としました。)

 

②実習風景全写真③ハッピーフルーツパフェレシピはここをクリック
④放射能試験成績報告書 ⑤放射能測定結果証明書はこちら

 

 

「ふくしまスイーツコンテスト2015」応募作品紹介
HAPPY PEACH WAFFLE A・KA・TSU・KI

美味しく安全な福島産の数々の果物を使ったスイーツを考案している際、‘あかつき’の美しさに感動したので、そのイメージをスイーツで再現してみました。

羽衣国際大学食物栄養学科4年生 小林剣太朗

 

福桃ミルフィーユ《前進》

福島県産の果物の安全性と品質の素晴らしさを皆さんに広報できる良い機会だと思い、応募しました。この作品は、震災復興に努力と苦労を重ねている福島県の方々をイメージして作りました。

羽衣国際大学食物栄養学科4年生 比嘉梨愛

 

ハッピーピーチゼリー《桃の涙と感謝》

原発事故で福島県産の桃が風評被害を受けていることを知り、福島県産の桃・桃ジュース・桃リキュールを使ったスイーツを作りたいと思いました。爽やかな桃色と白色で、4層を一緒に食べると、福島の桃の美味しさが口いっぱいに広がります。

羽衣国際大学食物栄養学科4年生 石田春香

 

 

7月25日(土):本学オープンキャンパス参加者と保護者(58名)への模擬授業として、PPTレクチャアに続き、福島産林檎100%ジュース「林檎の想い」と和梨缶詰の官能検査を実施し、保護者様をはじめ、案内の教職員や学生も参加し、大変力強いメッセージやエールをたくさん頂戴しました。

⑥全写真はここをクリック

 

 

7月26日(日):本学オープンキャンパス恒例行事「和歌山の高校生限定 1DAY体験」模擬授業として、PPTレクチャアに続き、福島産林檎100%ジュース「林檎の想い」・和梨缶詰の官能検査、「Happy Fruits パフェ」を実習試食しました。(和歌山高校生23名、オープンキャンパス参加者の飛び入り18名、保護者10 計51名)

⑦全写真はここをクリック

 

【参加者の声 抜粋】 ①②③

「頑張ろう福島!ではなく、頑張っている福島!だと思った」 「福島がこんな大変な事になっているとは思っていなかったので、知ることが出来て良かった」 「ちゃんと検査している安全な果物なので、安心して食べれます。農家の方々の果物への愛と努力が伝わってくる素敵な講義でした。私のバイト先でも岩手県産のタコを使って復興を支援しています。そういった支えでもっと復興したらいいなと思いました。」 「私は農業高校に通っているので、果物や野菜を育てる大変さややりがいを経験しました。今回、福島の現状や農家さん達の苦労や思いを初めて聞きました。」 「福島産フルーツを使って楽しくパフェを作りました。美味しかった。福島産のフルーツもすごく美味しかったし、毎日頑張って育ててくれているからこんな美味しいフルーツが出来るんだと思いました。福の島だけじゃなくて、どんな辛いことがあっても乗り越えられる方がたくさんいると知りました。」 「原発事故の風評被害は離れた場所で生活している私たちには直接的にはわからないけれど、せっかく作った果物が売れないというのはとても残念なことだろうなと改めて気づくことが出来ました。もっと理解が進んで全国の人の口に入るようになればいいなと思います。」等々 参加者は、風評被害の残酷さと、福島のたくさんの美味しい果物の安全安心を理解してくれました。

 

官能検査を拒否したのは桃アレルギーの教職員1名だけでした。 桃ジュース・林檎ジュース官能検査結果は、美味しさ・好み・飲むときの気持ち、いずれも高評価でした。

保護者の皆さまから「ハッピーフルーツプロジェクト頑張ってください」「素晴らしい活動ですね」とお声かけしていただき、更なる活動への励みとなりました。

 

11月7日(土):学産連携食イベント「第1回いのちの森のパンバザール」会場にて一般社団法人テラプロジェクト主宰(羽衣国際大学と連携協定締結)、本学人間生活総合研究所・大阪大学産業科学研究会サモア独立国大使館共催、紀文食品・フローレンス・アマゾンカムカム・ファイン協賛による新規健康食品フェアが開催されました。中井・野口が研究するOTB(おからをバナナと共にテンペ菌で発酵させた新健康食材)の製菓製パンへの活用の成果披露と共に、会場スペースを借用して「桃の恵みと林檎の想い」の官能検査を実施し、当日の模様は毎日放送ニュースでも放映されました。福島のフルーツ(缶詰)を用いたタルトレットも披露しました。 参加者は多岐に亘り、国際機関太平洋諸島センター、デパート催事担当者、マスコミ関係者、企業、大学等々正に産学官民の大勢の方が参集下さいました。 このフェアに合わせ、貴法人の助成金でのぼりとTシャツを作成致しました。福島の「Happy」と「美味しいフルーツ」をイメージし、ピンクグラデーションで「明るい未来」を祈って活動します。

⑧会場風景全写真はここをクリック

⑨福島へのメッセージはこちら

 

12月6日(日):第4回熊取ふれあい農業祭 昨年度に引き続き、大阪府泉南郡熊取町役場と大阪泉州JAの依頼で、国際食文化PJメンバーが、熊取町野菜のPRに一役買いましたが、本年度は会場ブースを提供くださり、Happy Fruits プロジェクト~頑張ろう福島~「桃の恵みと林檎の想い」の官能検査を実施しました。熊取野菜のマフィンと福島産果物缶詰のアーモンドタルトレットを2個セットにしクリスマスラッピングをして150組用意し、桃の恵みまたは林檎の想いの官能検査と福島への応援メッセージを書いてくださった方にプレゼントしました。

 

【まとめ】

昨年度同様、学生は福島県果樹農家の地震被害、風評被害の現状を「知らない、関心がない、気にしていない」状況でしたが、今回の事業で「大震災、原発事故、放射能、風評被害、福島県は果物の宝石箱、桃の涙物語」様々なKeywordに反応し、立派なレポートと感想文、福島の皆様へのメッセージを書いてくれました。次世代を担う若者たちが、しっかりと大震災、原発事故、その後の風評被害を考察し、前向きな意見を述べたことに感動致しました。

本年度は、大学外で一般の方々へも多々このPJを実施致しましたが、年長の方の思慮深いご意見や福島へのメッセージ、我々の活動へのエールなどを頂戴し、大変有難く、また今後の活動への励みとなりました。

対象は少しでも多いことが望ましいので、叶うなら小中学生とその保護者様を対象に、例えば「親子料理教室」を実施し、本プロジェクトを推進したいのですが、昨年度、本PJ実施にあたり、プレ調査をしたところ、保護者様の抵抗感(子女の年齢が低くなるほど)がありましたので、自身で判断できる高校生以上を対象としている現状です。

しかし、事業報告④学産連携食イベント「第1回いのちの森のパンバザール」会場や⑤熊取ふれあい農業祭では、親子連れ、お孫さん連れ等々ご家族で参加下さり、ジュースやタルトを美味しく召し上がって、感想を寄せてくださいました。

大学教員として教育への尽力と並行してのこのPJ遂行には、時間・費用・エネルギーを要しますが、PJ参加者からの福島へのメッセージとエールと共に、当方にも熱いエールが寄せられ、更なる本事業推進への活力となっております。

大きな寄付行為や事業が打ち上げ花火なら、我々のプロジェクト事業は正に線香花火かもしれません。しかし今後も細々であっても、本事業を継続していくことが大切と心して頑張る所存でございます。

助成頂きました活動費で、プロジェクト「のぼり」とメンバーの「Tシャツ」を作成させていただきました。フルーツ、特に桃を意識し「ピンクグラデーション」で作成しましたが、会場で綺麗に目立ち、大変効果的でございました。

 

このプロジェクトをご理解くださり、昨年度に引き続き、多大なご支援を賜りました公益社団法人日本フードスペシャリスト協会に心より感謝申し上げます。