食に関する一般向け啓発事業実施報告書

1)概 略

事業名
「親子で楽しく行事食に挑戦」
目   的
日本各地には伝統的な年中行事があり、そこでは、おもにその地域で生産される食材を用いたさまざまな行事食が受け継がれてきた。しかしながら現代社会においては、食の洋風化と外部化の進行に伴い、行事食の伝承が途絶えつつある。一方で、母親の社会進出により、家庭における親子のふれあいの機会が減少している。 そこで本事業においては、就学前の幼児とその親がいっしょになって、いくつかの行事食の調理に挑戦し、さらに、わが国の伝統的年中行事と行事食についての話を聞きながら、自分たちで調理した料理食を試食することによって、親子のふれあいを深めるとともに、伝統的行事食の継承に寄与することを目的とする。

募集チラシはこちらから

開催日時
平成26年10月11日(土) 10:00~13:30
開催場
岡山学院大学・調理学実習室、岡山短期大学・模擬保育室
参 加 者
保護者13名、子ども13名(4歳4人・5歳7人・6歳2人)
スタッ
岡山学院大学食物栄養学科1年生3名・2年生4名、岡山短期大学幼児教育学科2年生4名、本学助手2名(内1名は調理に参加、1名は写真撮影)、本学教員5名(内3名は調理に参加)
プログラム
第1部 行事食の調理(岡山学院大学・調理学実習室)

10:00 手遊び・歌など(幼児教育学科学生、教員1名)

10:20 料理の説明

10:30 手をきれいに洗えたかな

10:40 調理にチャレンジ

(幼児、保護者、食物栄養学科学生、幼児教育学科学生、助手1名、教員3名)

・栗きんとんをつくろう ・きび団子をまるめよう ・野菜がじょうずに切れるかな

第2部 日本の年中行事と行事食についての話(岡山短期大学・模擬保育室)

12:00 昔の行事や行事食の話を聞きながら、行事食を食べよう(本学教員1名)

2)内 容

第1部
幼児教育学科の学生といっしょに年中行事に関連した手遊び・歌などで楽しんだ後、家族単位で4つの班に分かれ、学生の協力を得ながら、表1に示す行事食4品(栗きんとん(茶巾絞り)、月見だんご(きび団子)、祭り寿司(ばら寿司)、かぼちゃサラダ)を全員で協力して調理した。あわせて、表1に示す行事食3品(煎り大豆(ポン菓子)、ひなゼリー(三色ゼリー)、そうめん汁)については、本学学生と教員が調理し、第2部の試食に提供した。

 

表1 当日調理の行事食と年中行事

行 事 月 日 料 理 作 成 者
正月元旦 1月1日 栗きんとん(茶巾絞り) 幼児・保護者・学生
節分 2月3日 煎り大豆(ポン菓子) 学生・教員
上巳節句(ひな祭り) 3月3日 ひなゼリー(三色ゼリー) 学生・教員
七夕 7月7日 そうめん汁 学生・教員
十五夜(お月見) 9月・10月 月見だんご(きび団子) 幼児・保護者・学生
秋祭り 10月 祭り寿司(ばら寿司) 幼児・保護者・学生
冬至 12月22日か23日 かぼちゃサラダ 幼児・保護者・学生

これら7品のレシピは、「当日配付資料①」中に示してある。以下の写真は、第1部の様子である。

 

 

第2部
会場を移動し、みんなで調理した料理に関わる日本の年中行事と行事食についての話(「当日配付資料②」参照)を本学教員が行った。その後、自分たちで作った料理に加えて、本学学生と教員が調理した行事食、全7品をみんなで試食した。以下の写真は、第2部の様子である。
 

最後に、感想等をアンケート(「当日アンケート」参照)に記入して頂き、13:30頃閉会した。

 

3)アンケートの結果

本事業に参加した11組の親子にアンケートを記入していただき回収した。 その結果、「今日の料理実習は上手にできましたか。」の質問に対する子どもによる回答としてしては、「大変よくできた」が3名、「できた」が6名、「少しできた」が1名、「うまくできなかった」が1名であった。「行事食の話を聞いてどんなことを知りましたか」の質問に対しては、「初めて聞く話で興味深く、大変有意義でした」「もっと行事食について知って、子供に伝えていかないといけないと思いました」「行事食を意識して作っていなかったので、今後は親子で楽しく作っていこうと思いました」などの回答が得られた。 また「今日感じたことを自由に書いてください」の項には、「とても充実した時間をありがとうございました」「「もっと親子で料理にチャレンジしたいと思います」「学生や先生が優しく教えてくださってよかったです。メニューも豪華でおどろきました」「子供の自主性をみることができるよい機会となりました。レシピは是非、家庭で作ります」「いろいろな作業をさせてもらい、親子ともとても満足しました。また機会があればぜひ参加したいです」などの意見・感想が述べられていた。

以上のことから、本事業開催の意義は極めて大であったと考えられる。

 

本事業に助成いただきました公益社団法人日本フードスペシャリスト協会に厚く御礼申し上げます。