函館短期大学食育講座

「北海道のじゃがいもで、おいしく楽しく地産地消!」実施報告


開催日時:平成23年6月4日(土)10:00~12:30
開催場所:函館短期大学調理室・食堂
参加者数:親子10組(子ども12名<男児7名、女児5名>、保護者10名)
講  師:函館短期大学 食物栄養学科 保坂静子
スタッフ:函館短期大学食物栄養学科 猪上徳雄・安宅真由美・中澤留美
     函館短期大学保育学科 植月美希・志賀直信・木村美佐子・谷村誠
     函館短期大学食物栄養学科・保育学科 学生ボランティア20名
           食物栄養学科 職員ボランティア 2名

 

【講座概要】

函館短期大学では、函館市内の小学校1、2年生の親子を対象に、「北海道のじゃがいもで、おいしく楽しく地産地消!」というテーマで食育講座(共催:日本フードスペシャリスト協会)を開催致しました。

北海道にはおいしい食材がたくさんあります。例えば函館では、北海道の特産品であるじゃがいもやとうもろこし、北海道米「ふっくりんこ」「ゆめぴりか」「おぼろづき」や、イカや昆布などの豊かな海産物などが手に入ります。このような食材を知り、日々の食事に取り入れることは、家庭での食育にも重要であると考えられます。本講座は、このような食材の調理特性や栄養素について講義を行い、参加者の食品・食事への知識を深めるとともに、実際に調理実習を行い、調理の楽しさにも触れていただくことを目的としています。

また、本学の食物栄養学科で栄養教諭を目指す学生や、本学保育学科で保育士・幼稚園教諭を目指す学生がボランティアとして参加し、受講する子ども達と触れ合い、実際に指導を行うことで、学生の職業選択・資格に対する意識を明確化することも目指しています。


【実施記録】

(0) 準備<8:30~10:00>

食物栄養学科のスタッフは8時半から調理の下準備を、保育学科のスタッフは9時から会場準備を始めました。調理室ではじゃがいもの皮を剥き、食堂や廊下には受付を設置し、着用いただく白衣やサンダルを並べ、参加者の皆さんをお迎えする準備をしました。

①親子揃いの野菜の絵カードをつけた割烹着(保護者は白衣)、マスク、ヘアー・キャップを用意しました   ②参加者のサイズを確認しながら、調理室用上履き
(保護者はナースサンダル)も用意しました

(1) 開講式<10:00~10:15>

参加者の皆さんは欠席もなく、全員時間通りにきてくださいました。予定通り、本学食堂にて10時から開講式を開始しました。司会は保育学科・植月美希専任講師が担当し、まず、保育学科・志賀直信教授より、開講の挨拶とともに、地産地消の重要性などについてお話をしました。地産地消は輸送距離が短いため、輸送による二酸化炭素排出量も低く抑えられ環境に優しい、といった内容を参加者の皆さんは一生懸命聞いていました。

①開講の挨拶をする志賀教授   ②開講の挨拶を聞いている参加者の親子の皆さん

その後、保育学科・木村美佐子専任講師より、本日のスケジュールとメニュー説明を行い、本日のメニューは北海道のジャガイモを使用したいも餅と根菜のゴマ汁で、デザートは函館市近郊の北斗市で採れたイチゴであることが紹介されました。

続いて、保育学科・谷村誠専任講師より、本講座の調理実習などを食物栄養学科・保坂静子専任講師が担当する旨を説明し、その後、保坂講師より挨拶を頂き、開講式は終了しました。ここからは30分ほど、親子が分かれて講義を受けます。保護者の方は白衣を着用して調理室へ移動し、子ども達はそのまま食堂で、子ども向けの講座を受講します。

(2) 子ども向け講座・保育学科担当<10:15~10:45>

この講座は、保育学科の学生ボランティア4名が担当しました。自己紹介の後、「じゃがいも芽が出た」という手遊びをみんなで一緒に楽しみました。その後、赤、緑、黄色の食べ物の仲間についての説明を行い、これらの食品をバランス良く食べることが必要だというお話をしました。実際に、食品のカードを1人に1枚ずつ配り、その食品が赤、緑、黄色のどの食べ物の仲間なのか、分類してもらいました。また、赤、緑、黄色の食べ物について分かりやすくまとまっている「げんきマンの歌」を全員で歌いました。

①保育学科の学生ボランティアが、 自己紹介をしています   ②みんなで、「じゃがいも芽が出た」の 手遊びを楽しみます
③赤、黄、緑の食べ物の仲間について、
その働きなどを説明しました
  ④食品のカードを1人に1枚ずつ配り、その食品を赤、緑、黄色のどの食べ物の仲間なのか、カゴに カードを入れて分類してもらいました

次に、本日の講座のテーマでもある、じゃがいもの説明を行いました。じゃがいもには様々な品種があります。ここでは代表的な男爵、メークインの2種類のじゃがいもを全員に1つずつ配りながら、男爵は少しゴツゴツしていて、煮崩れしやすいのに対し、メークインは細長くてツルンとした形で、煮崩れしにくいこと等を説明しました。驚いたことに、参加者のお子さんたちは全員、正しく男爵とメークインを見分けることが出来ました。また、じゃがいもはナス科の植物であり、ナスとよく似た花を咲かせることを説明しました。

(子ども向け資料はこちら)
⑤子ども達は配られた男爵とメークインをじっと見て、違いを探します   ⑥「メークインはどっちのじゃがいも?」という質問に、 子ども達はみんな、2つのじゃがいもの中から正しい方を選ぶことができました!
⑦他にも、北海道には色々な種類のじゃがいもがあります。写真を使ってご紹介しました   ⑧じゃがいもの芽にはソラニンという毒があるという難しい説明にも、子ども達は真剣に耳を傾けています

最後に、これまでの講義の内容を理解してくれているのか確認するため、○×クイズを行いました。「じゃがいもはナスの仲間である」(答えは○)、「トマトは、体を作る赤い食べ物の仲間である」(答えは×)など、5問ほどを出題し、子ども達は正答すると大喜びでした。

⑨○×クイズのルール説明をしています。
○×クイズの後、トイレ休憩を取り、子ども達はりりしい 割烹着姿になって調理室に移動しました。

(3) 保護者向け講義と調理実習・食物栄養学科担当<10:15~10:45>

子ども向けの講座と並行し、保護者向けに「親子で健康な食生活を」というタイトルで、保坂講師が講義を行いました。テキストの資料にありますように、食生活の基本などを説明するとともに、函館市の食育推進計画などをご紹介しました。また、本日の講座では北海道産の食材を多数使用していますが、それらの産地の説明等を行いました。講義後は、調理実習に入りました。

 

講義で使用したテキスト(一部抜粋)です。 スライドを使いながら、丁寧に健康な食生活について講義を行いました
(保護者向け資料はこちら)

(4) 子ども向け講座と保護者向け調理実習・食物栄養学科担当<10:45~11:30>

子ども達は調理室に移動し、まず、食物栄養学科の学生ボランティアの根菜講座を受講しました。じゃがいもを含めた野菜の名前について説明し、それぞれの野菜についてどの部分(茎・花・根・葉など)を食べているのかといった説明をしました。また、絵本「やさいのおしゃべり」を紙芝居式で読んでもらいました。講座の後は、丁寧に手を洗ってから、調理実習に入りました。

この間、保護者はじゃがいもを茹でて潰し、丸く形を整え、いも餅を作り、更にも餅にかけるタレも準備しました。

①食物栄養学科の学生ボランティアが、 野菜について説明しました   ②続いて、絵本「やさいのおしゃべり」の 読み聞かせを行いました
③保護者はいも餅作りをしています。潰したジャガイモを、丸く平らな形に整えます   ④いも餅にかけるタレを作っています。火加減に気を使います

子ども達は、保護者が薄く切ってくれた大根、にんじん等の根菜の型抜きに挑戦しました。キレイに型が抜けると、子ども達からも笑顔がこぼれました。この根菜はこれから煮込んで、ゴマ汁に使用します。

⑤力を入れて、根菜の型を抜きます

型抜きが終わると、今度はゴマすりに挑戦です。子ども用の小さなすり鉢で、ゆっくり丁寧にゴマをすろうと頑張りますが、勢い余ってテーブルにこぼす子も。でも、「ゴマは優しくすると、おいしくなるよ」と説明されて、一生懸命頑張りました。このすりあがったゴマを使って、保護者の皆さんはゴマ汁を完成させました。

⑥ゴマはゆっくり丁寧にすります   ⑦ついつい力が入るとゴマがすり鉢から飛び出してしまいますが、そんな失敗にもめげず、頑張って一生懸命すります

子ども達は、保護者の皆さんが焼き上げたいも餅にはお醤油と砂糖で作ったタレをかけました。また、デザートのイチゴを数え、お皿に丁寧に盛りました。これで、お料理の完成です!

⑧タレをかけます。タレはちょっと固めで、スプーンからなかなか落ちません。でも、あせらず丁寧に作業を進めます   ⑨さあ、完成です! 上手に出来ました!!
箸と箸置きも上手に置けました

(5) 試食<11:30~12:00>

待ちに待った、試食タイムです! 親子揃って、自分達で作ったいも餅、根菜のゴマ汁を頂きます。自分もお手伝いして作ったお食事に、子ども達も箸が進みます。

①早速、試食です!   ②試食タイムに、お母さんとニッコリ記念撮影です
③楽しいひと時を過ごしていただけたことが、 表情から分かります

(6) 後片付け・アンケート<12:00~12:20>

試食タイムの後は、保坂講師の総括の後、保護者は食器の後片付けに入りました。子ども達は保護者が後片付けをしている間、学生ボランティアが行ったアンケートに協力してくれました。最後に、「じゃがいも芽が出た」の手遊びをしたり、野菜のプレゼントを受け取ったりしながら、保護者がアンケートに回答するのを待ちました。

①保坂講師から、今日の講義を参考にぜひご家庭でも親子で調理を楽しんでいただきたいと、挨拶をしました   ②胸に付けた絵カードとおそろいの野菜をプレゼントしました

(7) 閉講式<12:20~12:30>

志賀教授より閉講の挨拶を行いました。その後、白衣・サンダル等の着脱の案内を行い、解散です。
学生ボランティアは、白衣を脱いで帰り支度が整った子ども達の首にじゃがいものメダルをかけ、じゃがいものプレゼントを1人1人に手渡しました。その後、参加者を短大玄関まで見送りました。

【講座終了】

一般の方を対象とした食育講座は、函館短期大学では昨年に引き続き、2回目の取り組みでした。講座終了時に行ったアンケートの集計結果からは、参加者の満足度が非常に高いことが伺えるとともに、今後の講座への期待も伺えました。

なお、今回の食育講座を経て、学生ボランティアは、実際に子どもを指導する難しさや準備の大切さを感じるとともに、子どもと触れ合う楽しさ、講座を成し遂げた達成感を十分に感じることが出来たようです。これから幼稚園や小学校、中学校などで行う教育実習を控えている学生には、今回の講座が非常に刺激になったようです。

また、参加してくださった皆さんには、本講座で地産地消や健康な食生活について学ぶこと、親子で力を合わせて調理することなどを体験していただきました。本講座を契機に、ご家庭での食育がより質の高いものになることを期待しています。

(当日はケーブルテレビ局NCV、函館新聞、北海道通信が来訪し、後日、当講座がニュース番組や新聞記事等で報道されました。)

(子ども向けアンケートの結果はこちら)

(保護者向けアンケートの結果はこちら)

 

【当講座を紹介する新聞記事】

≪函館新聞 2011年6月5日付 掲載記事はこちら≫ ≪北海道通信 2011年6月7日付 掲載記事はこちら≫