一般向け啓発事業報告書

事業の名称 「平成23年度和菓子講習会」

別府大学短期大学部食物栄養科
立松 洋子

 

開催日時 平成23年10月30日(日)10時~14時30分
開催場所 別府大学短期大学部2号館調理実習室
講  師

新杵菓子舗 森 定雄 先生

季和舎   道寄 好子 先生

参加者数 45名

-実施記録-

 

(1) 事前準備

別府大学短期大学部食物栄養科開催の講習会に参加していただいた方たちに案内状を郵送し、卒業生やマスコミに連絡するなど和菓子講習会への参加を呼びかけた。
講師との打合せ、レシピの作成
食物栄養科2年生とアフタヌーンティーの試作
食材の調達
マスコミ(大分合同新聞社、NHK大分放送局、OBS大分放送、TOSテレビ大分、OAB大分朝日放送、エフエム大分)に後援依頼と取材の要請を行う
前日、食物栄養科2年生を中心にアフタヌーンティーの下処理、和菓子の材料分け
前日、講師の先生方と最終打合せ、段取り確認

(案内状はこちらから)
(2) 前日


食物栄養科2年生51名を対象に午前中、森先生から和菓子のデモンストレーションを受ける。

学生は調理実習ではなかなか体験することのできない和菓子の特殊な技術に先生からの指導を受け、率先して質問するなどしていた。

 

(3) 当日 当日は以下のスケジュールで実施した。
9:30~10:00  受付

10:00~11:30 和菓子講習会 森 定雄 先生

11:30~12:30 お茶のお話  道寄 好子 先生

12:30~13:20 試食会(食物栄養科提案の和菓子アフタヌーンティー)

13:30~14:30 講演「和菓子作り・大分銘菓の歴史」森 定雄 先生

 

-和菓子講習会内容-
10:00から森先生より和菓子でよく使用される餡子や餅についての説明、和菓子の基礎をお話ししていただいた。10:30頃からデモンストレーションをふまえながら参加者がそれぞれの班に分かれ実習が始まった。講師の森先生やスタッフに手順を確認しながら、参加者は自分たちで和菓子を作成しお土産として持ち帰った。参加者は普段とは違った和菓子の細やかな作業に関心を持ったようで、熱心に講師の説明を聞いたり、メモを取ったりしていた。
                       

和菓子

作成した和菓子は(左から)

1. 秋の香り(みかん)

2. 雪うさぎ

3. おとずれ(花のつぼみ)

4. 愛の香り(バラ)

 


(和菓子講習会レシピ等はこちらから)

森先生が和菓子の基礎を説明   実習開始。餅を蒸します
森先生が和菓子の基礎を説明   実習開始。餅を蒸します
蒸した餅に着色し…   あんこを丸め…
蒸した餅に着色し…   あんこを丸め…
へたをつければ…    柿のでき上がりです。
へたをつければ…    柿のでき上がりです。
着色した餡子を丸め、次に作るのは…   雪うさぎ
着色した餡子を丸め、次に作るのは…   雪うさぎ
参加者の皆さんも一生懸命!   自分たちで作った和菓子は持って帰りました
参加者の皆さんも一生懸命!   自分たちで作った和菓子は持って帰りました

-お茶のお話内容-
11:30から道寄先生よりお茶のお話をしていただいた。お茶の歴史やお手前、お茶の種類等についての説明をうけた。また道寄先生からお手前をいただき参加者のうち代表5名が味の違いを確認した。先生の説明後、それぞれの班で2種類のお茶の飲み比べを行い、産地の違いや1番茶、2番茶の違いを各自で試飲した。また、アフターヌーンティー試食前にぼてぼて茶を各自で作り飲んでもらった。


 
道寄先生からお茶のお話   お手前の様子
 
入れ方ひとつで味も変わる!   参加者も2種類のお茶を飲み比べ
 
ぼてぼて茶   参加者もぼてぼて茶の試食

-食物栄養科提案の和菓子アフタヌーンティー-
大分銘菓を使用したアフタヌーンティーを提案し、ワンプレートにごはん、揚げ物、和え物、煮物をお茶とともに試食していただいた。作成には食物栄養科2年生が参加し、貴重な体験となった。大分銘菓の活用と、大分で伝承された大分の味を再発見して欲しいことを目的に参加者の皆さんに見ていただいた。

 

 

-講演「和菓子作り・大分銘菓の歴史」-

森先生から和菓子作り・大分銘菓の歴史のお話をしていただいた。参加者の皆さんも和菓子作りに大変興味を持っているようで、あちこちから質問が出された。大分銘菓の中でも生産を中止した物もあり、大分の味を伝承していくためにもこの会はよい機会になった。

-おわりに-

現在は食生活の欧米化に伴い、スナック菓子や洋菓子、ジュースが手軽に食べられ、また作られることにより、摂取量が和菓子、お茶に比べ増加している。日本文化の伝承という視点から、和菓子作りの基本と、古典的な和菓子の由来などを理解し、日本人の侘び寂を育て、心を癒した和菓子やお茶の神髄を学ぶため今回この和菓子講習会を実施した。

例年、料理講習会を開催しているが今回初めて和菓子、お茶の実習を催したが、多くの方が興味を持ってくださり多数の参加をいただいた。
当日は森先生、道寄先生から貴重なお話をしていただき参加者も普段できない経験をしたようで、大変満足していただけた。会の最後には、楽しかった、またやってほしいなどの意見をいただき、今回の講習会で当初の目的を達成することができたと考える。また、大分県内の方々に対し大分銘菓の普及にも貢献できたのではないかと思う。今後もこのような会を開催していくことを計画している。

この講習会に助成してくださいました社団法人日本フードスペシャリスト協会に深謝いたします。