「高齢者の「食」を通じた地域交流事業」実施報告書

Ⅰ はじめに

「食」は生きる基本であり、心と体の健康維持と活力を生み出すために欠かせない要素である。また、食事は、心のふれあいや生きがいを確認し合うことのできる大切な時間である。本事業では、高齢者の「食」に関する関心を高め、食への関わりを広げていく契機とするとともに、心身の健康を支援することを目的として、交流事業(クリスマスコミュニティーパーティー)を実施した。

Ⅱ 事業内容

1.高齢者向けレシピの考案と啓発資料の作成

学生教育の一環として、専攻科健康栄養専攻の1年生が、高齢者向けの料理レシピ、食生活のアドバイスなどを検討した。料理については、クリスマスコミュニティーパーティーにおいて提供することを念頭に置き、おもてなし料理にふさわしいこと、高齢者にも食べやすいこと、旬の地域の食材を活用することなどに心がけた。食生活のアドバイスでは、啓発の場がパーティー会場であることを考慮し、強制的な内容にならないよう配慮した。

検討の結果、パーティーのメニュー、食生活アドバイスの内容は以下のとおり決定し、当日配布する資料を作成した。表面には寒い季節に向けての食生活に関する内容、裏面には、当日のメニューの中から高齢者やその家族が家庭や地域で活用可能な、安価で簡単に作ることのできる2品のレシピを掲載した。

 

*メニュー

・海老とアボガドのカナッペ ・マヨクリームポテト
・白身魚のマリネ ・鶏もも肉のスパイスハーブ焼き
・水菜のシーザーサラダ ・ミニトマトのコンソメ煮
・豆豆キッシュ ・秋田錦牛のシチュー
・ガトーショコラ ・りんご(平鹿産)のヨーグルトムース
・パン  ・コーヒー又は紅茶

      

*資 料

         (リーフレットの詳細はこちら

 

*パーティー準備

レシピを考案した専攻科生が、本科健康栄養専攻の2年生にレシピの説明・調理指導を行った。それぞれの役割を通して学生同士が学び合うことができた。また、感染症の流行時でもあったため、調理担当者の健康チェックを徹底し、衛生管理に細心の注意を払った。

 

2.交流会(クリスマスコミュニティーパーティー)

開催日:平成22年12月4日(土)

開催場所:聖霊女子短期大学 ザビエルホール

参加者:地域住民109人(地域の高齢者30人と一般参加者)

開催状況:~プログラム~

1.開会の歌 聖歌「諸人こぞりて」

2.聖書朗読             生活文化科学生

3.歓迎のご挨拶とクリスマスのお話  平垣ヨシ子学長

4.会食と音楽

  演奏 学生有志

     ♪ハンドベル演奏 ♪フルート独奏

     ♪ピアノ独奏   ♪電子オルガン独奏

5.閉会の歌 聖歌「きよしこの夜」        (プログラムはこちら

料理を考案した専攻科1年の代表がメニューの説明を行い、料理を味わっていただいた。また、会食中は、学生有志によるハンドベル演奏、フルートとピアノの合奏や電子オルガンの独奏を披露した。

Ⅲ おわりに

交流会は、終始和やかな雰囲気で行われ、参加者と学生、教職員の交流が深められた。参加者からは、楽しかった、美味しかったという、満足度の高い評価をいただいた。また、日頃、1人で食事をしているお年寄りにとっては、こうした食事を通した地域の人々との交流はとても嬉しいものであるとの感想も寄せられた。

さらに、学生が主体となって、メニュー考案、資料作成、テーブルコーディネート、調理、給仕などを担当することにより、フードスペシャリスト養成施設である本学で学ぶ学生の、知識と技術の実践の場として、教育的意義の大きいものであった。

なお、交流会の実施状況については、本学のホームページにおいても広報を行っている。

 

聖霊女子短期大学 学生ニュースレター

http://www.seirei-wjc.ac.jp/college/NO19/xmas.htm

助成をいただいた社団法人 日本フードスペシャリスト協会、ご参加いただいた地域の皆様に深く感謝いたします。