講演内容

平成21年11月7日(土)13:00~14:30、聖徳大学1号館1219教室において、聖徳大学“食”に関する講演会―「くさい“くさや”がなぜ発酵食品といえるのか」(社団法人日本フードスペシャリスト協会共催、松戸市教育委員会後援)が開催された。

(チラシ配付場所)

講師として、東京海洋大学名誉教授、東京家政大学特任教授、前日本食品衛生学会会長の藤井建夫先生をお招きした。藤井先生は、伝統食品の製造、発酵食品のいわゆる善玉微生物や、食中毒菌などの悪玉微生物に造詣が深い方である。

 講演は、参加者に配付された冊子にそって行われた。冊子は「くさい“くさや”がなぜ発酵食品といえるのか」について2頁のわかりやすい抄録に続き、藤井先生の対談記事、学会誌の総説が掲載されている。この冊子は、講演内容の理解を深めたい方々、さらには食品の専門家にも利用しやすい体裁となっている。

藤井先生からは、腐敗と発酵の違い、食の安全などについて、具体的な事例をあげながらご説明いただいた。伝統的なくさや、塩辛などを取り上げ、独特の風味の形成やその歴史について紹介された。伝統製法の塩辛は塩分10%以上で腐敗細菌を抑えられるが、最近は要冷蔵の低塩塩辛が出回り、食中毒まで出ているという。様々な発酵食品を作った昔の人の知恵と工夫に感心し、伝統食品のありがたさを再認識する内容であった。

講演の最後には、参加者から質問を受けた。また、藤井先生は講演終了後の参加者の問い合わせにも懇切に応対され、きわめて和やかな雰囲気であった。

参加者人数:158名。開催当日は本学学園祭初日にあたり、開催案内ポスターを用いて学園祭来場者にも当講演会への参加を呼びかけた。

 講演終了後、参加者に講演会アンケートを実施し、89名(女性79名、男性10名)から回答を得た。参加者の年齢は、20歳代から70歳代まで幅広い年齢層であった。居住地は千葉県内50名、県外37名(内東京都7名、埼玉県10名、茨城県7名など)、無記入2名であった。

講演内容の満足度については、「大変参考になった」が35名、「参考になった」が43名で合わせて78名、「どちらともいえない」が1名、無回答が10名であり、「あまり参考にならなかった」、「参考にならなかった」がおらず、ほとんどの参加者に満足していただけたものと考える。

参加者からのご意見としては、「初めて知ることが多く、とても興味深かった」、「ためになって楽しかった」、「改めて日本食品のすばらしさ、伝統食品のありがたさを思い知った」、「技術革新によって、食生活が変化してきたことに理解が深まった。単なる付加価値としての「安全」に安心していてはいけないということも考えさせられた」などが寄せられた。

(アンケート結果の詳細はこちら)