『地域の食材を利用した調理品開発』

愛知県は野菜の生産量が多いにも関わらず、近年の統計調査によると愛知県民の野菜消費量は日本の県別でみると少ないと報告されています。そこで我々は愛知県民に、愛知県には数多くの食材があることを紹介し、これらを利用し誰でも簡単に作れるレシピを考案し、少しでも地元の農産物の消費を促進、地産地消の意識が定着することを目的としました。

また、各地方に伝えられている郷土料理は地元の食材を使用したものが多く、地域性のある料理が家庭で作られて伝えられてきましたが、家族のあり方が変化し、外食産業の発達とともに家庭内で作られている料理の伝承性が失われつつあり、愛知県に伝わる郷土料理も食する人々が減ってきています。祖父母、父母や食事の提供者から子どもに郷土料理が受け継がれなくなりかけている中、現代の食育では郷土料理の伝承も重要な教育内容の一つとして力を入れています。そこで、三河地方に伝わる郷土料理を実際に調理し、多くの人に食してもらい、次世代へ郷土料理を伝承するための活動も行うことにしました。

 

1.名古屋市消費生活フェア

日時
2015年11月7日 10~17時
開催場所
名古屋市栄 オアシス21
フェアの一般参加者 約22,000人
実施内容
地域の食材を使用した弁当のポスター展示およびレシピの配布

 

消費生活フェアは大学、企業、行政、NPOなどさまざまな団体が消費生活に関わることについて出展する催しです。我々のブースでは食生活診断による食品摂取量の過不足を指導し、更に愛知県の食材を使用した弁当のレシピ配布を行いました。具体的な弁当の内容として、ガッツリまんぞく弁当は中学や高校の男子学生など若い男性でも食べて満足できる味噌カツやタコ飯を使い食べごたえあるものにし、オープン稲荷弁当は幅広い層でも食べやすいように揚げの中に詰めるご飯の味を4種作り(写真で左から抹茶味、タコ飯、八丁味噌味、五目味)、ローカリ弁当は近年、若い女性を中心にカロリーを抑えたいヒト向けに魚や野菜を使い作成しました。さまざまな年齢層の方にメニューのレシピを説明しながら話をし、多くの方にレシピを配ることができました。さらに弁当3種のポスターも作成し、愛知学泉大学のブースに掲示し、ブースを訪ねた人にも見てもらうことも出来ました。

 

弁当写真

ガッツリまんぞく弁当   オープン稲荷弁当   ローカリ弁当

 

様々な方に配布し説明

 

ブースにてポスター掲示風景

 

2.ファーマーズマーケット

日時
2016年2月6日 9~12時
実施場所
暮らしの杜(岡崎市)/ファーマーズマーケット
一般参加者 約1,000人
実施内容
調理品(生落花生の煮物、味噌いなり寿司)とそのレシピ配布

 

ここでは、三河産の生落花生を使った“落花生の煮物”と消費生活フェスタの時に配ったオープン稲荷弁当の中から八丁味噌を使った味噌稲荷をレシピと一緒に配ることにしました。落花生の煮物は郷土料理ですが、限られた地域でしか知られていないという現状です。また、この岡崎市は八丁味噌の生産地でもあり、味噌文化を大切にしていきたいという我々の思いもあります。現在減りつつある味噌の消費量を増やすには、味噌を調味料として使用した調理品が各家庭の食卓で提供されることが大切と考え、このファーマーズマーケットでは落花生の煮物と味噌味のいなりを調理品として出品することにしました。

また、落花生の煮物の配布については、煮物であることと衛生面から新しい調理方法である真空調理法を用いて調理品を作成しました。

岡崎市のファーマーズマーケットでは、愛知学泉大学のブースで調理品とレシピを配布しました。ファーマーズマーケットの開始時刻が午前9時であり、出展者は9時から販売開始となるため、我々の無料配布も同時刻から開始しました。落花生の煮物は事前に準備し、冷蔵庫内で保存が可能でしたが、いなり寿司はファーマーズ当日の作成となりました。ファーマーズマーケットの当日、大学の調理室に早朝6時に集合し、調理品を作成してパックに詰め、大学からブースに必要なテーブルやテーブルクロスも持参し、会場へと出向いて準備を整えました。

 

事前調理の様子

真空包装機にかける 真空調理完成品

 

いなり寿司、落花生の煮物ともファーマーズの参加者には好評であり、特に落花生の煮物は郷土料理であるにも関わらず、地元の西三河でも知っている人は少なく、このような調理品があることに興味を持ってもらうことができました。中には、落花生の煮物は知っているものの、調理方法を知らない方もいらして、我々がレシピも同時に渡しながら調理方法を説明し、大変喜ばれました。大好評のうちに全ての調理品を配布することができ、ここでも多くの方々に調理品の説明ができ、様々な方とたくさんのお話をすることができました。

 

ファーマーズ出展の様子   ラジオのインタビュー